【経理編】スタートアップのための賢いコスト比較|正社員採用 vs バックオフィス業務アウトソーシング

【完全ガイド】スタートアップのバックオフィス業務アウトソーシング|優先順位と選定方法

経理担当者を採用すべきか、それともアウトソーシングすべきか…

実は、経理職の正社員採用にかかる総コストは、基本給の1.74倍に達することをご存知でしょうか?
一方で、アウトソーシングなら60-80%のコスト削減が可能というデータもあります。

この記事では、首都圏で1-10名規模のスタートアップが直面する「経理機能をどう構築するか」という課題について、実際の数字とリアルな事例を交えながら、最適な選択をサポートします。

*この記事は、実際の市場データと導入事例を基に作成しました。
データ出典:Robert Half Japan給与ガイド2025、厚生労働省統計、各種人材サービス会社調査(2024年)

経理担当者を採用した場合の総コスト試算

まず結論から。経理担当者を1名採用すると、年間692万円〜1,044万円のコストがかかります。これは基本給だけでなく、見えにくい様々なコストを含めた「真の採用コスト」です。

基本給与と地域差

首都圏の経理職給与相場(2024年データ)

経験年数年収レンジ平均年収月給換算
0-1年300-420万円360万円30万円
2-3年350-550万円450万円37.5万円
5年以上550-800万円675万円56.3万円
補足

首都圏プレミアムに注意

東京の給与水準は全国平均より15-25%高い設定となっています。さらにバイリンガル人材の場合は、追加で25-50%のプレミアムが必要です。

採用にかかる初期コスト

意外と見落としがちなのが、採用活動そのものにかかるコストです。

採用コストの内訳(平均値)

  • 求人広告費:月5-20万円 × 2-6ヶ月 = 10-120万円
  • 人材紹介手数料:年収の30-50% = 108-337万円
  • 採用活動工数:経営陣の時間 × 20-40時間 = 10-20万円相当
  • 採用期間の機会損失:既存チームの残業代等 = 月10-30万円

初期コスト合計:138-507万円

年間の人件費総額

ここが重要なポイントです。基本給400万円の経理職を採用した場合の実際の年間コストを見てみましょう。

項目金額(年間)基本給に対する割合
基本給400万円100%
賞与(夏冬)80万円20%
社会保険料(会社負担)62.9万円15.7%
交通費・諸手当36万円9%
オフィス・設備費127.2万円31.8%
年間総コスト706.1万円176.5%
注意

見落としがちなコスト

  • 退職金積立:基本給の5-10%
  • 教育研修費:年間20-50万円
  • 福利厚生費:年間10-30万円
  • 採用失敗時の再採用コスト

アウトソーシングの料金体系と内容比較

一方、アウトソーシングの選択肢は驚くほど多様化しています。月額890円から36万円以上まで、ニーズに応じて選べる時代になりました。

クラウド会計ソフト活用型(月額1,000円〜6万円)

A社クラウド会計サービス

月額980円〜4,480円

  • 自動仕訳機能
  • レシート自動取り込み
  • 給与計算連携

※実際の運用にはコンサル費用(月1-3万円)が別途必要な場合あり

B社クラウド会計サービス

月額890円〜5,980円

  • 多言語対応
  • 子会社連結機能(別途契約)
  • 予実管理機能(別途契約)

記帳代行サービス(月額3万円〜15万円)

従来型の会計事務所から、スタートアップ特化型まで。

サービスタイプ月額料金対応範囲特徴
従来型会計事務所3-5万円記帳代行のみ(税務申告費用別)地域密着・対面相談可
オンライン特化型1-3万円記帳代行のみ低価格・スピード重視
スタートアップ特化型5-15万円経営管理まで成長支援・資金調達サポート

適切なアウトソーシング活用により、多くのスタートアップが本業への集中を実現し、成長を加速させています。あなたの会社も、今こそバックオフィス業務の最適化を検討してみてはいかがでしょうか。

フルアウトソーシング(月額10万円〜50万円)

CFO機能まで含む包括的なサービス。

プレミアムBPOサービスの特徴

  • 専任チーム体制(2-3名)
  • 月次決算の早期化(5営業日以内)
  • 投資家向けレポート作成
  • 資金調達サポート
  • 内部統制構築支援

※バイリンガル対応の場合は20-30%の追加料金

隠れたコストとリスクの洗い出し

数字に表れない「隠れたコスト」こそ、実は経営判断を大きく左右します。

正社員採用の隠れたリスク

1. 採用失敗リスク

経理職の採用は特に難しく、3人に1人は1年以内に退職というデータも。その場合の損失は?

  • 再採用コスト:200-500万円
  • 引き継ぎ期間の混乱:1-2ヶ月
  • 業務の一時停止による機会損失

2. スキルミスマッチ

成長段階により必要なスキルが変化

  • 初期:基本的な記帳スキル
  • 成長期:資金調達・管理会計
  • 拡大期:内部統制・上場準備

一人の人材でカバーするのは現実的に困難です。

3. 教育投資の回収リスク

新たな法改正への対応には継続的な教育が必要。年間36万円以上の教育投資が推奨されていますが、退職により投資が無駄になるリスクも。

アウトソーシングの注意点

Point

確認すべきポイント

  • 追加料金の有無:決算期や年末調整時の追加費用
  • 対応スピード:質問への回答時間、月次締めのタイミング
  • セキュリティ体制:情報管理の方法、認証取得状況
  • 契約期間の縛り:最低契約期間、解約条件

ROI計算シミュレーション(具体例付き)

では、実際の数字で比較してみましょう。従業員5名のテクノロジースタートアップを例に、3年間のトータルコストを計算します。

ケース1:正社員採用の場合

前提条件

  • 経理職1名採用(年収400万円想定)
  • 採用に3ヶ月、教育に3ヶ月
  • 3年目に退職、再採用が必要

3年間の総コスト

初年度採用コスト150万円 + 人件費706万円 = 856万円
2年目人件費706万円 + 昇給分20万円 = 726万円
3年目人件費746万円 + 再採用コスト150万円 = 896万円
合計2,478万円

ケース2:正社員業務をアウトソーシングした場合

前提条件

  • 初年度:フルBPOサービス(月40万円)+初期費用120万
  • 2年目:サービス拡充(月40万円)
  • 3年目:フルBPO移行(月40万円)

3年間の総コスト

初年度初期費用120万円 + 月40万円×12 = 600万円
2年目月40万円×12 = 480万円
3年目月40万円×12 = 480万円
合計1560万円
比較結果

3年間で918万円の差額!

アウトソーシングなら、37%のコスト削減が可能です。
削減した資金は、プロダクト開発やマーケティングなど、直接的な成長投資に回せます。

CoreFreeのメリット:定性的な価値

成長段階別の最適な組み合わせ提案

すべてのスタートアップに同じ解決策は当てはまりません。成長段階に応じた最適な組み合わせをご提案します。

Stage 1:創業期(従業員1-3名)

クラウド会計ソフト + スポット相談

  • 月額コスト:5万円
  • freeeやMoney Forwardを自社運用
  • 決算期のみ税理士に相談
ポイント

この段階では、基本的な記帳を自動化しつつ、専門的な部分だけ外部に頼るのが効率的

Stage 2:アーリー期(従業員4-7名)

記帳代行 + 月次サポート

  • 月額コスト:20万円
  • 日常の記帳業務はアウトソース
  • 月次決算と経営数値の可視化
ポイント

本業に集中できる体制を作りながら、経営判断に必要な数値を把握

Stage 3:グロース期(従業員8-10名)

フルBPO or ハイブリッド型

  • 月額コスト:20-50万円
  • 経理・労務・財務の包括サポート
  • または、パートタイム経理 + BPO併用
ポイント

資金調達や事業拡大に向けて、より高度な財務管理体制を構築

移行戦略のポイント

ポイント

成功する移行の3原則

  1. 定期的な見直し
    3-6ヶ月ごとにサービス内容と費用対効果を評価
  2. 段階的に進める
    いきなり全部を任せるのではなく、業務単位で徐々に移行
  3. 内部の理解者を確保
    経営陣の誰かが数字を理解し、外部パートナーと連携

まとめ:あなたの会社に最適な選択は?

ここまでに述べたように、多くのスタートアップにとってアウトソーシングは経済的にも戦略的にも有利です。

  • ✅ 30-70%のコスト削減が可能
  • ✅ 採用リスクと教育コストを回避
  • ✅ 最新の専門知識に常にアクセス可能
  • ✅ 事業成長に合わせた柔軟な対応

ただし、最適な選択は会社の状況により異なります。
以下のチェックリストで、あなたの会社に合った方向性を確認してみてください。

Check

✅ アウトソーシングが向いている場合

  • □ 従業員10名以下のスタートアップ
  • □ キャッシュフローを重視したい
  • □ 本業に集中したい
  • □ 専門的な財務アドバイスが必要
  • □ 将来の成長に備えて柔軟性を確保したい

アウトソーシングは「手段」であって「目的」ではありません。限られたリソースと予算でバックオフィス業務を最適化し、効率的な事業成長にフォーカスできる環境がベストです。

バックオフィス業務でお悩みの方へ

CoreFreeは、スタートアップ・中小企業向けに経理・労務・財務のバックオフィス業務を包括的にサポートするサービスです。月額5万円から始められるスタートアッププランもご用意しています。

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